問診・診察:
喘息の症状は、“繰り返す”、“長引く” 咳、呼吸困難ですが、その症状が出やすいのは夕方〜朝方、運動のあとや風邪をひいたときなど、特徴があります。また、喘息には遺伝的な要素や他のアレルギー疾患を合併しやすい特徴があるので、両親や兄弟に喘息の方がいないか、アトピー性皮膚炎はないかなどをお尋ねします。
聴診では息を吐く時に高い“ヒュー”という音がするのが特徴的です。しかし、赤ちゃんでは気管支がまだ狭く柔らかいので、風邪をひいただけでも同じような音がしますし、大人ではタバコで傷んだ肺や心不全によって同様の音がします。よって、ヒュー音がするから喘息と言い切ることはできませんが、喘息を示唆する重要な音です。
肺機能検査
喘息の方が息が苦しくなったり、ヒュー音がするのはイラストのように気管支の壁がむくんだり、ギュッと縮むことにより空気の通り道である気管支の内腔が狭くなるからです。どれくらい狭くなっているかを目に見えるように数字や形で表すものが肺機能検査です。
下の肺機能検査の図は息を吐くスピードを形にしたものです。予測値というのが正常の形です。息の吐き始めにピークがきて、そのあとはまっすぐ減速していきます。それが、喘息では青のラインのように、ピークの山が低くなり、そのあと下にたわんだような形になります。気管支が狭くなって、息を吐き出しにくいから、このような形になります。さらに、気管支を拡げるお薬を吸入したあとがピンクのラインです。喘息の方だとこのように明らかな改善を認めます。また、治療が不十分でも大きな改善を認めるので、治療強度の指標にもなります。
もちろん当院でも肺機能検査を導入しております。
吐いた息の成分から肺の中の炎症の成分を測定する検査も当院では実施できます。10秒間(お子さんは6秒間)息を吐くだけで測定できます。
喘息の方では高い値となりますし、治療をしている方でしたら吸入薬がきちんと気管支の炎症を沈静化しているのかの判断ができます。
呼吸器専門の医療機関として、気管支内の抵抗を測定できる機械も導入しております。こちらはリラックスして普通に呼吸を数回している間に測定するのでとても楽な検査です。検査結果も色で表現され、視覚的にわかりやすくなっています。