妊婦さんを対象に、①症状のみで薬剤を調整する方法と、②症状と検査結果(吐いた息の中で喘息で増える成分を測定)から薬剤を調整する方法のどちらが優れているかの臨床試験が2011年に実施されました。結果は②の方法で薬剤を調整したほうが喘息発作が少なくできました。
今回はその後の報告です。その妊婦さんから産まれてきた子供の喘鳴や喘息の発症を調べた臨床試験が発表されました。
緑の棒グラフで表された、②の方法で治療した妊婦さんから産まれてきた子供達が喘息の症状や喘息の発症が少ない結果となりました。つまり、喘息発作の少なかった妊婦さんから出生した子供のほうが喘息の発症や喘鳴が少なかったいう考え方ができます。
妊娠すると、赤ちゃんへの薬の影響を心配し、治療が中断してしまうことがあります。現在は、妊婦さんが喘息発作を起こした際の悪影響が胎児に大きいことから、きちんと治療をすることが推奨されていますが、喘息の発症にまで影響する可能性があることが示唆されました。
JACI. 2018;142(6):1765-17