小麦アレルギー
投稿日:2017/04/22

「令和3年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書」によると、0歳児の食物アレルギーの原因食材の第3位ですが、幼児期には木の実などに抜かれ、第5位になりました。しかし、成人の食物アレルギーでは依然第1位です。多くの料理・加工品に使用されており、除去が必要になると大変な食材と思います。うどんやパスタのような麺類やパンはもちろん、天ぷら、唐揚げ、カレー・シチュー、クッキーなどなど多岐に渡ります。加工品では表示義務のある「特定原材料」なので確認することができます。

初めての小麦食品ですが、パンは小麦だけではなく卵や牛乳を含むものも多いので、うどんや素麺からにしましょう。また、パンは麺類よりも小麦含有量が多く、食パン1枚とうどん1玉(200g)が小麦から見たら同等の量です。

小麦の負荷試験は注意が必要で、鶏卵や牛乳と比較して少量の摂取量でアナフィラキシーに至り、呼吸器症状(咳、喘鳴)の出現が多いです。小麦に対する抗体は陽性でも、食べても症状がない人も多いので、小麦抗体陽性の信頼は高くありません。しかし、小麦に含まれるタンパク質のω-5グリアジンやグルテンへの抗体は高値になるほど、症状を認める可能性が高くなる、信頼できる指標です。

栄養面:除去による問題はなく、料理中の小麦は米粉やでんぷんで代替しましょう。例:揚げ物の衣はコーンフレーク、米粉パンのパン粉、砕いた春雨で代替。しかし、米粉パンには弾力性をだすために小麦グルテンが入っていることがあります!!!!!!表示の確認をお願いします。

加工食品:醤油は可、味噌・酢も大丈夫なことが多いです。他の麦や穀類で約20%ほどアレルギー症状が出現します。同じイネ科の米、とうもろこしと交差反応を生じるので、必要時は負荷試験で確認が必要です。大麦・ライ麦は交差反応を起こす可能性はありますが、表示義務の対象外です。大麦から煎じた麦茶はタンパク質が抽出されないので多くの方は飲むことができます。

小麦は生で食べることはないので、加熱による抗原性(アレルギーを起こす力)の変化に考慮することは必要ありません。

下の図のように乳幼児期からの小麦アレルギーは治る可能性が十分にありますので、スキンケアをしっかりしながら、負荷試験で確認していきましょう。

小麦に対するアレルギーは他にもあります。パン屋さんの喘息、触るだけで蕁麻疹や皮膚炎が起こる、そして、小麦製品を食べて2時間以内に運動をするとアナフィラキシーを起こす食物依存性運動誘発アナフィラキシーがあります。

小麦とアレルギーの関係は深いのです。字ばかりになってしまいました(-_-;)

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小麦アレルギー

投稿日:2017/04/22

「令和3年度 食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書」によると、0歳児の食物アレルギーの原因食材の第3位ですが、幼児期には木の実などに抜かれ、第5位になりました。しかし、成人の食物アレルギーでは依然第1位です。多くの料理・加工品に使用されており、除去が必要になると大変な食材と思います。うどんやパスタのような麺類やパンはもちろん、天ぷら、唐揚げ、カレー・シチュー、クッキーなどなど多岐に渡ります。加工品では表示義務のある「特定原材料」なので確認することができます。

初めての小麦食品ですが、パンは小麦だけではなく卵や牛乳を含むものも多いので、うどんや素麺からにしましょう。また、パンは麺類よりも小麦含有量が多く、食パン1枚とうどん1玉(200g)が小麦から見たら同等の量です。

小麦の負荷試験は注意が必要で、鶏卵や牛乳と比較して少量の摂取量でアナフィラキシーに至り、呼吸器症状(咳、喘鳴)の出現が多いです。小麦に対する抗体は陽性でも、食べても症状がない人も多いので、小麦抗体陽性の信頼は高くありません。しかし、小麦に含まれるタンパク質のω-5グリアジンやグルテンへの抗体は高値になるほど、症状を認める可能性が高くなる、信頼できる指標です。

栄養面:除去による問題はなく、料理中の小麦は米粉やでんぷんで代替しましょう。例:揚げ物の衣はコーンフレーク、米粉パンのパン粉、砕いた春雨で代替。しかし、米粉パンには弾力性をだすために小麦グルテンが入っていることがあります!!!!!!表示の確認をお願いします。

加工食品:醤油は可、味噌・酢も大丈夫なことが多いです。他の麦や穀類で約20%ほどアレルギー症状が出現します。同じイネ科の米、とうもろこしと交差反応を生じるので、必要時は負荷試験で確認が必要です。大麦・ライ麦は交差反応を起こす可能性はありますが、表示義務の対象外です。大麦から煎じた麦茶はタンパク質が抽出されないので多くの方は飲むことができます。

小麦は生で食べることはないので、加熱による抗原性(アレルギーを起こす力)の変化に考慮することは必要ありません。

下の図のように乳幼児期からの小麦アレルギーは治る可能性が十分にありますので、スキンケアをしっかりしながら、負荷試験で確認していきましょう。

小麦に対するアレルギーは他にもあります。パン屋さんの喘息、触るだけで蕁麻疹や皮膚炎が起こる、そして、小麦製品を食べて2時間以内に運動をするとアナフィラキシーを起こす食物依存性運動誘発アナフィラキシーがあります。

小麦とアレルギーの関係は深いのです。字ばかりになってしまいました(-_-;)

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