こんにちは。いでアレルギー・ぜんそくクリニックです。
今回は、患者様からよくいただく質問のうち、牛乳アレルギーに関する疑問にお答えできればと思います!
牛乳アレルギーとは
牛乳アレルギーは、牛乳に含まれるたんぱく質に対して体の免疫システムが過敏に反応することで生じます。症状としては、蕁麻疹、嘔吐、下痢、ひどい場合にはアナフィラキシーを起こすこともあり、乳児期に発症することが多い疾患です。
日本では、鶏卵に次いで2番目に報告の多い食物アレルギーです。
牛乳アレルギーは加熱すれば大丈夫?
一般的に、加熱してもアレルゲン性(アレルギー反応を引き起こす力)はあまり低下しないと言われています。
ヨーグルトでも注意が必要です
ヨーグルトは牛乳を発酵させて作る食品であり、その過程でたんぱく質がある程度分解されるため、「アレルゲン性が下がるのではないか」と考える方もいます。
しかし、実際のところヨーグルトを製造する発酵時間ではアレルゲン性(アレルギーを引き起こす力)の低下は少ない、とされています。
牛肉はどうですか?
「牛乳アレルギーがあるなら、牛肉も避けた方がいいのか?」という疑問を持つ方もいらっしゃいます。アレルギーの原因となるタンパク質が、牛乳と牛肉で共通の場合がありますが、加熱によりこのタンパク質のアレルギーを起こす力は低下しますので、加熱された牛肉が問題になることはほとんどありません。基本的には牛乳アレルギーがあるからといって牛肉を完全に除去する必要はありません。
豆乳には注意が必要でしょうか?
牛乳アレルギーの代替として豆乳が選ばれることはよくありますが、「豆乳も避けるべきなのか?」というご質問もよくいただきます。結論から言えば、牛乳アレルギーのある方が豆乳を摂取しても、基本的には問題ありません。大豆アレルギー自体のお子様も一定数はいらっしゃいますので、離乳食の開始の基本である「初めての食材はごく少量から」を参考にしてください。
まとめ
本記事が牛乳アレルギーのある方、牛乳アレルギーについて興味のある方にご参考となれば幸いです。
いでアレルギー・ぜんそくクリニックでは、牛乳アレルギーを対象とした食物経口負荷試験を日帰りで実施しております。お気軽にご相談ください。
さらに食物アレルギーについて詳しく知りたい方、当院への受診についてはこちらをご覧ください!(当院HP)
※食物アレルギーのある方は必ず主治医の指導の元、食品を摂取するようにしてください。
本記事は牛乳アレルギーの方の、各種食品摂取を推奨する記事ではございません。
本記事を書いた人
いでアレルギー・ぜんそくクリニック
院長 出口秀治
- 日本内科学会認定専門医
- 日本アレルギー学会認定専門医
- 日本呼吸器学会呼吸器認定専門医
- 日本喘息学会喘息認定専門医
熊本県八代市でアレルギー科「いでアレルギー・ぜんそくクリニック」を開業。
食物アレルギーと喘息という2つの専門分野をもとに診療を行っている。食物経口負荷試験は年間500件以上実施している(直近年度実績)。