こんにちは。いでアレルギー・ぜんそくクリニックです。
今回は、患者様からよくいただく質問のうち、小麦アレルギーに関する疑問にお答えできればと思います!
小麦アレルギーについて
小麦アレルギーは特に小さなお子様に多くみられる食物アレルギーの一つで、日本では卵・牛乳・木の実類に次いで4番目に多いとされています。鶏卵や牛乳と比較して少量の摂取量でアナフィラキシーを引き起こし、消化器症状、皮膚症状よりも呼吸器症状(咳、喘鳴)の出現が多いです。
小麦アレルギーがあっても麦茶は飲めますか?
麦茶は小麦ではなく大麦から作られています。重症の小麦アレルギーの場合、大麦にもアレルギー症状を起こすがありますが、麦茶に含まれるアレルギー物質はごく少量ですので、ほとんどの場合は摂取できます。
小麦アレルギーでも片栗粉は問題ない?
「片栗粉」は本来、カタクリという植物から取れたでんぷんですが、現在の市販品のほとんどは「じゃがいも由来のでんぷん」です。つまり、いずれの場合も純粋な片栗粉には小麦は含まれていません。
しかし、一部の市販品(から揚げ粉など)は、小麦粉がブレンドされている場合があるため、食品表示の確認が必須です。「片栗粉=安全」と思い込まず、毎回ラベルを確認する習慣をつけましょう。
小麦アレルギーでも米粉パンなら食べられる?
米粉パンの多くはグルテン(小麦に含まれるたんぱく質)が添加されていますので、必ず原材料を確認してください。
なお、純粋な米粉は小麦ではなく米を原料とする粉ですので、小麦アレルギーの方でも問題なく摂取でき、代替として広く使われています。また、片栗粉の話と同様、一部の米粉パンミックスやお菓子ミックスには小麦成分が加えられている場合があります。
「グルテンフリー」や「小麦不使用」の表示があるかを必ず確認しましょう。米粉の導入を考える場合も、最初は主治医と相談のうえで進めると安心です。
しょうゆやみそなど、調味料はどうなりますか?
製造過程で小麦が使用されているものが多いですが、製造過程でアレルギーの原因タンパク質が分解されますので、醤油は可(発酵の過程でタンパク質が完全分解される)、味噌・酢も大丈夫なことが多いです。
※もちろん、摂取してアレルギーが疑われる症状が出た場合は注意が必要です。自己判断せず、主治医にご相談ください。
まとめ
本記事が小麦アレルギーのある方、小麦アレルギーについて興味のある方にご参考となれば幸いです。
いでアレルギー・ぜんそくクリニックでは、小麦アレルギーを含んだ食物経口負荷試験を日帰りで実施しております。お気軽にご相談ください。
さらに食物アレルギーについて詳しく知りたい方、当院への受診についてはこちらをご覧ください!(当院HP)
※食物アレルギーのある方は必ず主治医の指導の元、食品を摂取するようにしてください。
本記事は小麦アレルギーの方の、各種食品摂取を推奨する記事ではございません。
本記事を書いた人
いでアレルギー・ぜんそくクリニック
院長 出口秀治
- 日本内科学会認定専門医
- 日本アレルギー学会認定専門医
- 日本呼吸器学会呼吸器認定専門医
- 日本喘息学会喘息認定専門医
熊本県八代市でアレルギー科「いでアレルギー・ぜんそくクリニック」を開業。
食物アレルギーと喘息という2つの専門分野をもとに診療を行っている。食物経口負荷試験は年間500件以上実施している(直近年度実績)。