牛乳アレルギーと乳糖の関係は?
投稿日:2025/11/01

こんにちは。いでアレルギー・ぜんそくクリニックです。
今回は、患者様や保護者の方からしばしばいただくご質問、「牛乳アレルギーの子どもは乳糖も避けるべきですか?」というテーマについて解説いたします。
実際、乳糖と聞くと「牛乳由来の成分だから危険なのでは?」と心配になる方も多いかもしれませんので、解説できればと思います。

結論:多くの方は問題ないことが多いが、一部の重症例では注意が必要です

 

まず結論から申し上げますと、牛乳アレルギーのあるお子さんの多くは、乳糖を摂取しても問題がないことが多いとされています。乳糖はたんぱく質ではないため、アレルギー反応を起こす可能性は非常に低いと考えられます。

しかしながら、「牛乳由来成分が含まれている」というだけで不安になり、乳糖までもすべて除去してしまっているケースも多く見受けられます。そのような過剰な除去は、食事の選択肢を不必要に狭めてしまい、栄養バランスやQOLの低下につながる可能性があります。

重症の牛乳アレルギー児でも乳糖を摂取できるという研究結果

 

実際に、2015年に発表された日本の研究(竹井真理 ほか, 日小児アレルギー会誌 29:649–654, 2015)によると、重症の牛乳アレルギーを持つお子さんのうち、約95%が乳糖3gを症状なく摂取できたという報告があります。

この研究では、乳糖を実際に摂取する経口負荷試験を行ったうえで反応を観察しており、その結果、仮に症状が出た場合でも、すべて軽度の症状にとどまったとされています。つまり、たとえ牛乳アレルギーが重度であっても、乳糖そのものに強い反応を示すことは稀であるということが科学的に示唆されています。

乳糖はたんぱく質ではない

 

牛乳アレルギーの原因物質は、「カゼイン」「βラクトグロブリン」などの乳に含まれるたんぱく質です。一方、乳糖(ラクトース)は糖質であり、たんぱく質ではありません。

つまり、理論的にも乳糖はアレルゲンではないため、乳糖自体の摂取においては大きなリスクはないと考えられるのです。

乳糖を含む食品と実際の生活

実際の生活では、乳糖が含まれている食品は意外と多く存在します。たとえば、

・顆粒タイプのふりかけ
・コンソメ顆粒
などに使用されていることがあります。表示上「乳成分を含む」と書かれているため、保護者の方が避けてしまうことが多いのですが、本来は反応のリスクが極めて低い場合が多いのです。

乳糖は通常牛乳を原材料にしており、乳タンパクの微量の混入の可能性はあるものの、大半の方は摂取可能です。乳糖は顆粒だしなどに含まれており、学校給食などでも多く使われているため、本当に摂取できないほど重篤な食物アレルギーであるのかは、医師の判断のもと検討した上で、食事指導を進めていきます。

最後に

 

いでアレルギー・ぜんそくクリニックでは、乳糖や軽度の乳成分を含む食品の摂取可否についても、経口負荷試験や詳細な診察をもとに判断しております。

牛乳アレルギーのお子さんをお持ちのご家族にとって、「乳糖」は少しややこしい存在かもしれません。
しかし、乳糖はたんぱく質ではないため、多くの方にとっては問題なく摂取できる成分です。

一方で、重症のアレルギーをお持ちのお子さんでは、まれに症状が出ることもあるため、医師の判断のもとで安全を確認しながら進めることが大切です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、食品の摂取については必ず医師とご相談ください。

 

 

本記事を書いた人

いでアレルギー・ぜんそくクリニック
院長 出口秀治

  • 日本内科学会認定専門医
  • 日本アレルギー学会認定専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器認定専門医
  • 日本喘息学会喘息認定専門医

熊本県八代市でアレルギー科「いでアレルギー・ぜんそくクリニック」を開業。

食物アレルギーと喘息という2つの専門分野をもとに診療を行っている。食物経口負荷試験は年間500件以上実施している(直近年度実績)。

 

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牛乳アレルギーと乳糖の関係は?

投稿日:2025/11/01

こんにちは。いでアレルギー・ぜんそくクリニックです。
今回は、患者様や保護者の方からしばしばいただくご質問、「牛乳アレルギーの子どもは乳糖も避けるべきですか?」というテーマについて解説いたします。
実際、乳糖と聞くと「牛乳由来の成分だから危険なのでは?」と心配になる方も多いかもしれませんので、解説できればと思います。

結論:多くの方は問題ないことが多いが、一部の重症例では注意が必要です

 

まず結論から申し上げますと、牛乳アレルギーのあるお子さんの多くは、乳糖を摂取しても問題がないことが多いとされています。乳糖はたんぱく質ではないため、アレルギー反応を起こす可能性は非常に低いと考えられます。

しかしながら、「牛乳由来成分が含まれている」というだけで不安になり、乳糖までもすべて除去してしまっているケースも多く見受けられます。そのような過剰な除去は、食事の選択肢を不必要に狭めてしまい、栄養バランスやQOLの低下につながる可能性があります。

重症の牛乳アレルギー児でも乳糖を摂取できるという研究結果

 

実際に、2015年に発表された日本の研究(竹井真理 ほか, 日小児アレルギー会誌 29:649–654, 2015)によると、重症の牛乳アレルギーを持つお子さんのうち、約95%が乳糖3gを症状なく摂取できたという報告があります。

この研究では、乳糖を実際に摂取する経口負荷試験を行ったうえで反応を観察しており、その結果、仮に症状が出た場合でも、すべて軽度の症状にとどまったとされています。つまり、たとえ牛乳アレルギーが重度であっても、乳糖そのものに強い反応を示すことは稀であるということが科学的に示唆されています。

乳糖はたんぱく質ではない

 

牛乳アレルギーの原因物質は、「カゼイン」「βラクトグロブリン」などの乳に含まれるたんぱく質です。一方、乳糖(ラクトース)は糖質であり、たんぱく質ではありません。

つまり、理論的にも乳糖はアレルゲンではないため、乳糖自体の摂取においては大きなリスクはないと考えられるのです。

乳糖を含む食品と実際の生活

実際の生活では、乳糖が含まれている食品は意外と多く存在します。たとえば、

・顆粒タイプのふりかけ
・コンソメ顆粒
などに使用されていることがあります。表示上「乳成分を含む」と書かれているため、保護者の方が避けてしまうことが多いのですが、本来は反応のリスクが極めて低い場合が多いのです。

乳糖は通常牛乳を原材料にしており、乳タンパクの微量の混入の可能性はあるものの、大半の方は摂取可能です。乳糖は顆粒だしなどに含まれており、学校給食などでも多く使われているため、本当に摂取できないほど重篤な食物アレルギーであるのかは、医師の判断のもと検討した上で、食事指導を進めていきます。

最後に

 

いでアレルギー・ぜんそくクリニックでは、乳糖や軽度の乳成分を含む食品の摂取可否についても、経口負荷試験や詳細な診察をもとに判断しております。

牛乳アレルギーのお子さんをお持ちのご家族にとって、「乳糖」は少しややこしい存在かもしれません。
しかし、乳糖はたんぱく質ではないため、多くの方にとっては問題なく摂取できる成分です。

一方で、重症のアレルギーをお持ちのお子さんでは、まれに症状が出ることもあるため、医師の判断のもとで安全を確認しながら進めることが大切です。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、食品の摂取については必ず医師とご相談ください。

 

 

本記事を書いた人

いでアレルギー・ぜんそくクリニック
院長 出口秀治

  • 日本内科学会認定専門医
  • 日本アレルギー学会認定専門医
  • 日本呼吸器学会呼吸器認定専門医
  • 日本喘息学会喘息認定専門医

熊本県八代市でアレルギー科「いでアレルギー・ぜんそくクリニック」を開業。

食物アレルギーと喘息という2つの専門分野をもとに診療を行っている。食物経口負荷試験は年間500件以上実施している(直近年度実績)。

 

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